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素材技術FAQ

素材・技術FAQ「よくある質問」

 
 
金工
 

■Q: 鉄瓶や湯釜は中を触ってはいけないといわれますが、洗わないほうがよいのですか。また、外部の手入れは、どんなことに注意したらよいですか。

A: ・鉄分の作用で常に湯がまろやかに保たれますので、洗わないほうがよいのです。また、外部の手入れは、必ず空拭きをし乾かして下さい。

 ・鉄瓶や湯釜の内部は酸化被膜によって金気止めがなされています。鉄瓶や湯釜は、使用が進むにつれ、内部の褐色の斑点や模様が現れますが、気にして手で触ったり、たわしなどで洗ってはいけません。被膜が破損し、錆やすくなります。外部の手入れは、表面にごみやほこりが付着しないよう、乾いた布でよく拭いて下さい。

 

 

■Q: 先日鉄瓶を購入しました。鉄瓶内部に見られる白いものは飲用しても問題ないのでしょうか?鉄瓶で沸かした湯をピッチャーに入れると白い沈殿物がいつもあり、ちょっと気になっているので教えて頂けるとうれしいです。

A: ・一般的に、鉄瓶の内側は漆を焼き付けて錆を止めるようにしています。その後、漆のにおいを取るために、内側に炭酸カルシウムを塗ってあります。(南部鉄瓶の中でも、手作りのものは焼抜きといって着色前に真っ赤に焼いて酸化皮膜をつくるので灰黒色のままになっています。)

 ・ご使用に当たっては、鉄瓶に水を満たし2〜3時間煮沸をした後捨てる作業を2回ほどしていただくと、その後は濁ることはないと思います。また、最も注意をすることは、水を入れたまま火を止めた状態にしないということです。出来れば井戸水を使用していただくと内側にカルシウム分が付きやすいので、これが錆を止める役割を果たします。
(解答協力:高岡銅器展示館)

 

 

■Q: 錫器や銀器は、どのように洗ったり、磨いたりしたらよいのですか。

A: ・家庭用洗剤で洗い流し、やわらかい布で空拭きをしてもらえば充分です。ことさら磨く必要はありません。使えば使うほど、落ち着いた光沢が出ます。

 

 

■Q: 銀瓶や急須が黒ずんだり変色したりするのを防ぐには、どんなことに気をつけたらよいですか。

A:・やわらかい布で、空拭きして下さい。また、ポリ袋に入れて下さい。

 

 

■Q: 銅器に緑青が発生してしまいました。防ぐには、日頃どんなことに注意するのですか。

A:・一般の台所用品で表面着色が施されていない製品は、金属たわしでこすりおとして下さい。
美術工芸品などで手荒な処理ができない場合、緑青発生部分にマッチ棒で椿油を塗ります。2週間ほど放置しておくと、緑青が表面に浮き出てきます。それを中性洗剤で洗い流して下さい。また、1円硬貨で、緑青を削り落とすこともできます。ニッケルはやわらかな金属で、銅器の表面を傷つけません。緑青を取ってもその部分が斑点として残り、製品の美観が損なわれます。緑青の発生の程度にもよりますが、あまりひどい場合は、メーカーに送り、仕上げ直しすることをお勧めします。

 ・塩気や湿気に直接当たらないようにして下さい。緑青がついたら必ず水洗いして、乾燥させ、空拭きして下さい。

 

 

■Q: 銅の器に、入れてはいけないものがありますか。

A:・強い酸性、塩基性のものはよくありません。

 

 

■Q: 金工品を使い込んでよい味を出していくには、どうしたらよいですか。

A: ・銅器の味を出すためには、とにかく、布で空拭きし、長い年月をかける以外に方法はないと思われます。

 ・常に、布巾で空拭きしてください。時には、ワックスで拭くことも必要です。

 

 
漆工
 

■Q: 漆器の取扱はどうすれば良いのですか。

A:・食器としての扱い
  • 電子レンジでは使用しないでください。
  • 乾燥機や食洗機は高温水、高温風で洗浄乾燥を行うため漆の表面をいためます。
  • 水気や簡単な汚れは、柔らかめの布でふき取ってください。
  • 漆製品の洗浄は、お湯でも水でもかまいません。また、洗剤を使用してもだいじょうぶですが、ナイロンタワシ等は使用しないでください。
  ・工芸品等の扱い
  • 高温や直射日光の長時間の放置は避けましょう。色あせや光沢がなくなるおそれがあります。
  • 濡れた箇所を長時間放置しないでください。シミの原因となります。
 

■Q: 漆のにおいはどれくらいで消えるのでしょうか。また、においを消すことができるのでしょうか?

A:・漆器の表面が強い塗膜となるには、1年ぐらい時間がかかります。また、漆のにおいは乾燥の途中を示す目安です。

 ・塗り上がって間もない、漆の独特のにおいは、米櫃の中に数日間入れておくことでにおいを除くことが出来ます。

 

■Q: 漆はかぶれませんか。

A:・しっかりと漆が乾燥した漆器製品は、かぶれることはありません。
 

■Q: 保存はどうしたらよいのですか?

A:使った後などは、柔らかい布巾で拭いてから、乾燥の激しい場所や直射日光を避け、湿気のある場所で保存(頻繁に使用しないものは箱の中)してください。
 

■Q: 長期間の使用や修理は可能でしょうか?

A:・漆器製品は丁寧に取り扱えば、長く使用することができます。

 ・色あせ、傷、多少のはがれは修理すればもとどおりに仕上がります。

 

 

■Q: 漆は何にでも塗れるのでしょうか?

A: 木地以外の素材、金属や陶器、ガラス、石等、何にでも塗ることができます。
塗り上げる素材の表面は、ヘアー仕上やサンドブラスト等で荒らしたほうが漆の食い付きもよく、剥離しにくくなります。
金属等は、低温(150℃)で3時間余り焼付けをしますと、更に食い付きをよくすることができます。

 

■Q: 同じように見える漆器なのに値段の差があるのは何故でしょう。

A:使用する素地、下地の方法、使用する漆液の質、手間や時間のかけ方、職人の技術、産地ごとのコスト面の違いなどで差がつきます。

 

 

■Q: 「布着せがしてあると丈夫」といわれますが、それは事実でしょうか。また、布着せの有無を、製品を見ただけで区別できますか。

A:布着せは、木製素地の破損、ひび割れ、狂いなどを未然に防ぐために行われます。ですから、一般的には布着せがしてあれば丈夫なわけです。完成品を外から見て布着せの有無を判断するのは困難な場合が多いのですが、塗膜を通して、うっすらと布目が見えるものもあります。

 

 

■Q: 残った食べ物を漆器に入れたままにして、冷蔵庫で保存してもよいでしょうか。

A:冷蔵庫に長時間入れることは避けてください。素地が天然木の漆器は、極端な乾燥に弱いからです。ただし、サラダなどを食べる直前に少し冷やすという程度なら大丈夫です。

 

 

■Q: 漆塗りの花器を使用する場合時々水を捨て、乾かした方がよいですか。

A:金属やガラスのおとしがないものは、時々乾かした方がよいでしょう。

 

 

■Q: 加飾してある漆器は特別な手入れが必要ですか。

A:原則として、無地のものと同じで結構です。

 

 

■Q: 愛用している吸物椀の内側が赤茶けてきました。吸い方が悪かったのでしょうか。変色しないようにするには、どうしたらよいですか。

A:使い込んだ結果のようですから吸い方のせいではないでしょう。 伝統的工芸品に使われる天然の漆は、その性質上、褪色・変色などを完全に避けることはできません。常に熱い汁を入れる椀の内側の変色は、漆器の変色の代表的なものです。 使い始めのときにぬるま湯に通す、煮えたぎっている汁をいれないようにする、洗った後の水気をよく拭き取るなどの日頃の注意が、何がしかの予防になるともいわれます。なお、変色は塗り直しできれいになります。

 

 

■Q: 乾燥は漆器によくないと聞いていますが、マンション住まいの場合、どこにどのように収納すればよいですか。

A:毎日使うものは食器棚への収納でよいのですが、使用回数の少ないものは次のようにして下さい。
・和紙に包んで木箱に収納する。
・直射日光の当たらない納戸や押し入れなどに収納する。
・冷暖房の風が直接吹きつけないところに収納する。
とはいえ、しまいっぱなしにせず、点検も兼ねて、時々使うようお勧めします。

 

 

■Q: 漆器は時が経つにつれて美しくなると聞いていますが、箱にしまったままにしておいてもよいのですか。

A:いつも使用しているもの、空気に触れているものよりは時間がかかりますが、箱に入れたままでも次第に漆器ならではの美しさは出てきます。とはいうものの、長期間しまいっぱなしにせず、時には点検も兼ねて空拭きなどの手入れをして下さい。

 

 

■Q: 晴の日に使う美しい漆器を普段も飾って眺めたいと思いますが、蛍光灯や空気に触れっぱなしでも大丈夫ですか。

A:以下のようなちょっとした注意をして、漆器の美しさを目でも大いに楽しんで下さい。蛍光灯などの明かりからの距離は遠く、直射日光の当たらないところ、また、冷暖房の風が直接吹きつけない場所に飾り、時々、ほこりを払ったり、空拭きをしたりの手入れをします。もちろん機会あるごとに使うこともお忘れなく。

 

 

■Q: 漆器の補修をしてもらいたいのですが、どこにお願いしたらよいのですか。

A:傷みの程度にもよりますが、一般的にいって、各産地のものであれば修理は可能です。それぞれの産地組合にご相談下さい。また、産地などが不明の場合は、全国伝統的工芸品センターの「ぬりものクリニック」にご相談下さい。

 

 

■Q: 漆器の修理にかかる費用の目安を教えて下さい。

A:修理内容、産地による差もありますが、無地のもので、購入価格の2〜3割から7〜8割というあたりが目安です。

 

 

■Q: 漆器修理に要する日数は、およそどのくらいですか。

A:特別困難なものでなければ、1ヶ月〜8ヶ月程度が目安です。ただし、修理の程度、修理方法、修理をする人の手のあき具合など、時と場合によって異なることですから、それぞれ相談して下さい。

 

 

■Q: 蒔絵や沈金など、加飾のある漆器でも修理はできますか。

A:できないことはありませんが、無地のものほど、簡単ではありません。その分、修理代もかさみます。新しく加飾し直した部分が前とは感じが変わってしまうこともあります。

 

 

■Q: 購入後、何年も経ったものでも修理は可能ですか。

A:下地、表面とも天然の漆仕上げで素地が天然木のものなら、ほとんどの場合可能です。しかしながら、年数が経って古味がついたものだと、補修部分と色や艶に差がでてしまいます。

 

 

■Q: 漆器の素地には、どんなものがあるのですか。

A:一般的には天然の木、竹、藤、紙、布、金属、陶磁、皮革、樹脂などがありますが、伝統的工芸品の場合は、ほとんど天然木を使っています。各産地が主に使用している素地は、次のようなものです。
[津軽塗]指物=檜葉(ひば)、科(しな)、桐。挽物=栃、欅、桂、朴など。
[浄法寺塗・秀衡塗]指物=檜葉、欅、朴。挽物=朴、欅、栃、山毛欅(ぶな)、水目桜など。
[鳴子漆器]欅、栃、桂、山毛欅、栗、桜、梓(あずさ)など。
[川連漆器]素地となる木は、まず熱に対しての強度が最大の条件であり、栃、山毛欅、欅、科、朴などが使われます。
[小田原漆器]欅、桑、栃、栓(せん)など。
[木曽漆器]木曽檜、桂、栃など。
[飛騨春慶]檜、栃、椹(さわら)、檜葉など。
[高岡漆器]欅、栃、桂など。
[輪島塗]アテ、欅など。
[金沢漆器]銀杏(いちょう)、檜、アテ、桐、朴、欅、栗など。
[越前漆器]欅、水目桜など。
[若狭塗]箸=孟宗竹、タガヤサン、桜、紫檀(したん)。 丸物=欅、栃。角物=檜、桂、朴、銀杏。 [紀州漆器]檜、栃、楠(くすのき)、など。
[香川漆器]各種天然木です。

 

 

■Q: 伝統的工芸品の漆器産地の製品には、それぞれに特徴があると思われます。産地ごとの漆器の特徴を教えて下さい。

A:[津軽塗]
下地工程として木地固め、刻苧(こくそ)、布着せ、地錆(数回)など20数工程を経た後、模様付け工程にかかります。代表的な模様は、次のようなものです。
 唐塗=色彩豊かな抽象模様。下地上がりに仕掛け、塗掛、彩色、呂塗、妻塗と色漆を塗り重ねて、砥石で色漆の層を研ぎ出します。
 七々子塗=変わり塗り技法の小紋風の粋な文様。下地上がりの上に色漆を塗り、菜種を蒔いて色漆が乾いたら、菜種を取り除いて輪状突起を作り、色漆を塗って研ぎ出し、輪文を作ります。
 紋紗塗=艶消しの黒地に漆黒の模様が浮き出た渋くてモダンなもの。下地上がりに黒呂色漆で模様を描き、その上に籾殻炭粉を蒔いて、研ぎます。
 錦塗=七々子塗の輪状突起の上に、古典的な唐草や紗綾型模様を描き込んだ、華やかで風格ある図柄。
[浄法寺塗・秀衡塗]
秀衡塗=塗りの手法においては他産地と変わりありませんが、色漆で雲形を描き、棒状および菱形の金箔を貼る加飾に特色があります。
浄法寺塗=下地を施さず、漆そのものを塗り重ね、所定の段階で上塗りをして、仕上げます。絵はつけず、形と色彩で継続しています。
[鳴子漆器]
木地呂塗りというもので、欅の木目がきれいに見えます。
[川連漆器]
日常食器として栄え、素朴で安価、実用性のあるのが特徴です。
[小田原漆器]
木地呂塗り、春慶塗り、摺り漆などの木理(木目)を活かした透明仕上げ。また、朱や黒などの色漆を塗ったり、朱、黒の掻き合わせ(目はじき塗り)を主体として、加飾的に変わり塗りを施しています。
[木曽漆器]
色漆を10数回塗り重ねて平面研ぎをし、摺り漆仕上げしたもので、色漆の断層が特別の文様を作り出します。座卓、重箱、膳などが主な製品です。
[飛騨春慶]
透明漆ですので、素地の木目がよく見えます。
[高岡漆器]
江戸時代に始まり後に中国から堆朱(ついしゅ)、堆黒(ついこく)などの技法が伝えられ、彫刻塗、錆絵、螺鈿、存星など多彩な技術が生みだされました。主な技法は、彫刻塗り、勇助塗り、青貝塗り。
―違棚の高岡塗は沈んだ小豆色に古木の幹を青く盛り上げて、寒紅梅の数点を螺鈿擬に錬り出した―夏目漱石「虞美人草」にも高岡漆器が登場します。 その他、いろいろな材料で漆の粘度を高めたり、色彩・表情豊かな表現を行う「変わり塗り」も発達してきました。
彫刻塗=江戸中期より、木彫堆朱、堆黒などによる雷紋や亀甲の地紋の上に草花鳥獣、青海波、牡丹、孔雀等を木地に彫りだしたものが代表的です。 高岡の彫刻塗は、色漆による彩色技法、あるいは全体を朱塗りした後、凹部にマコモ墨を入れて陰影をつける皆朱塗によって表現されています。
青貝塗=薄く加工した鮑(アワビ)などの貝を刀や針等で三角形や菱形の細片にし、これを組み合わせて主に山水、花鳥を表現する技法。 高岡青貝塗は、唐漆器写しから始まった薄貝技術と朝鮮半島や奈良から修得し改良された厚貝技術があります。使用する貝は、鮑貝のほか夜行貝、蝶貝、孔雀貝などです。
勇助塗=江戸末期、初代石井勇助が当時唐物として珍重されていた中国、明時代の漆器の研究を重ね、生み出した。花鳥、山水、人物などの錆絵・箔絵の要所に青貝、玉石などを施す総合技法。
[輪島塗]
特徴は堅牢な塗りと加飾の優美さにあります。輪島地の粉(風化珪藻泥石)を用いる下地塗り、木地の外側や損傷しやすい箇所へ漆で麻布を貼る布着せの技法などが、漆器の品質と堅牢性を高めています。
[金沢漆器]
指物、挽物、曲物などで作った木地に布着せ、漆下地などを経た漆本堅地塗で、上塗りは無地呂色磨きや花塗仕上げが主です。金銀の蒔絵と併用して螺鈿(らでん)、平文(ひょうもん)、卵殻などの多種の伝統技法も活かされ、加飾効果を高めています。
[越前漆器]
渋下地、本堅地があります。
[若狭塗]
漆を幾重にも塗り重ねては研ぐ研出し技法を使っています。極上漆を10数回塗り、貝殻、卵殻、金箔で模様をつけ、石や炭で研ぎ出し、数ヶ月を要して完成します。
[京漆器]
平安遷都以来御料漆器が作られました。茶道を背景にして名工を輩出。多種の技法を駆使した伝統工芸品です。
[紀州漆器]
日常生活で気軽に使える漆器が主体で、全体的にシンプル、がっちりとした印象があります。根来塗は当地の代表的な塗りの一つです。
[香川漆器]
起源は江戸時代末期で比較的浅いですが、その技法は中国、東南アジアの漆工法が源流です。きんま、存清(ぞんせい)彫漆の他、堅牢と実用性に富んだ後藤漆、象谷塗など、多彩な技法を持っています。
 

 

 


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